Long Goodbye

残された私と息子。そして母と義母
ふたりで仕事しなければ、ふたりで二人を介護しなければ。
やるしかない。

海のもとへ

三好達治の『郷愁』に


心に残った詩の一節がある


ずいぶん昔に読んだ詩集だったので


正しく覚えてはいないのですが、


こんな感じです


『ここ日本では 海の中に母があり、かの地フランスでは 母の中に海がある』


フランス語の母は Mere

そして海は Mer


母と大きな海 壮大なスケールが


心に響いて そのまま心に残りました



それから私が大人になって出逢った


夫は誰よりも海を愛し 


海が永遠の場所でした



私達に産まれた娘を 


私達は『海』と名付けました


夫の誕生日に 海は産まれました



でも 幸せは長くはありませんでした



海が5歳の時 私達は海を失いました



その後も 夫はずつと ずっと 


海を 愛し続けました



愛し続けて 愛し続けて 


夫は


外国の海の中で逝ってしまいました 

 

Long Goodbye 貴方  


海のもとへ さようなら 貴方