Long Goodbye

残された私と息子。そして母と義母
ふたりで仕事しなければ、ふたりで二人を介護しなければ。
やるしかない。

母84歳

先週の土曜 母は84歳になりました


母の入所した特養施設へ


息子と二人でプレゼントを持って


訪ねました。


やっと秋になり、少し肌寒さもあるか


ら、そんな時に羽織ってね と


息子がストールをプレゼントしました


ちょっと派手かなって思ったけど


目立つ色のストールです。


孫からのプレゼントに母は


喜んでいました。良かったね。



時々スタッフの方が近況をラインで


知らせてくれるのですが、


常設のタンスの引き出しから衣類を


取りだして紙袋やバッグに移し替えて


いつでも帰れますの準備をしているの


だそうです。


スタッフさんが持ってきた洗濯物と


袋の中の衣類を母と一緒にタンスに


しまうのだけど、その日の内にまた


紙袋やバッグに移し替えてしまうのだ


そうです。


歯ブラシもコップも なんでもです。


何度も繰り返しているそうです。



母は私に少し気を使いながら、


いつまでここに居ればよいの? 


と聞きます。


私と息子の仕事の為に


自分はここに居るのだと思って


暫くの辛抱だと我慢しているのです。




あとどのくらいで母は


"帰る" ことを


忘れてくれるでしょうか。

海のもとへ

三好達治の『郷愁』に


心に残った詩の一節がある


ずいぶん昔に読んだ詩集だったので


正しく覚えてはいないのですが、


こんな感じです


『ここ日本では 海の中に母があり、かの地フランスでは 母の中に海がある』


フランス語の母は Mere

そして海は Mer


母と大きな海 壮大なスケールが


心に響いて そのまま心に残りました



それから私が大人になって出逢った


夫は誰よりも海を愛し 


海が永遠の場所でした



私達に産まれた娘を 


私達は『海』と名付けました


夫の誕生日に 海は産まれました



でも 幸せは長くはありませんでした



海が5歳の時 私達は海を失いました



その後も 夫はずつと ずっと 


海を 愛し続けました



愛し続けて 愛し続けて 


夫は


外国の海の中で逝ってしまいました 

 

Long Goodbye 貴方  


海のもとへ さようなら 貴方